大手企業からの内定が出始めて、長かった就職活動にやっとピリオドをうてる学生が出たかと思えば、ESの選考と同様に、まったく結果の出ない学生もおります。これまで言われてきたとおり、今シーズンは本当に厳しい状況ですが、例年なら内定の取れる中堅層の学生が苦戦しているのは大変なことです。今シーズンの学生は、過去最長の就職活動になるかもしれません。
世界の経済助教がまだまだ不透明なため、企業の採用活動はどうしても慎重にならざるをえず、採用担当者にとってはなんとも力が入りません。いつもならせっせと面接を行っては、ライバル企業に逃げられないように内定者の入社意志を確認しつつ、「採用予定数まであと何人・・・」と神経をすり減らして皮算用を行っているはずなのですが、今年は経営者から「無理をするな」と言われるような状態です。内定をとった学生の就職活動体験談を聞いていても、採用担当者から「しばらく待ちますので、じっくり考えて入社意志をお伝え下さい。」というコメントを貰ったなどと、内定者を絶対囲い込もうという温度が低いようです。
欧米経済の先行きが見えない以上、これから企業の採用活動もしばらく停滞するでしょう。4月になって新しい期に入りましたが、上期(4~9月)の採用予算は既に相当削られていますから。実際、電車の吊り広告の求人情報も激減してきましたし、大学に掲示される合同説明会の参加企業の顔ぶれも元気が無い感じです。
この状況が改善されるタイミングがあるとすれば、下期(10月以降)ではないかと思います。仮に経済が好転しても、採用活動を再開させるには予算を確保したうえで集団形成等の準備が必要になりますので。
(これだけ採用数が絞られていますので、私見ですが、秋以降になって人員計画が見えてきたところで、追加採用に動く企業が意外と出てくる気がしています。以前にも書いたとおり、現在の求人予定数は現実の人員計画を織り込んで決められたものではなく、絞るだけ絞り込んだ数ですから。)
ということで、この春に内定を得られない学生にとっては、夏休みをはさんで秋まで就職活動が続くことになりそうです。今シーズンも当初は超早期化でスタートしましたから、3年の6月頃からインターンシップ向けのエントリーシートや面接を行ってきた学生にとっては、実に1年半も就職活動をすることになります。学生にとっては、マラソンの終盤になっていきなりゴールが逃げてしまった状態で、精神的に相当きびしいでしょう。就職指導をするときには、「諦めずに頑張れ!」というべきか、「思い切って休め!」というべきか迷うところですね。