第71号:個人情報保護法でOB訪問が難しく

この4月に施行された個人情報保護法ですが、だんだんと一般の認識も高まってきました。大学就職課の職員と企業採用担当者にとっては、一番大きな影響を受けるのは企業に就職したOBと現役学生との紹介方法でしょう。双方にとって難題を抱えながら方策を考えなければなりません。

殆どの大学就職課には開架式で企業別の資料が整備されておりますね。情報の豊富な有名大学では他大学の学生も忍び込んで閲覧していることも珍しいことではないでしょう。その企業別ファイルに常備されていたOBリストが姿を消しました。重要なOBの就職体験談についても個人が特定できる部分についてはそのままで公開は難しくなり、大学職員の方々も今春、相当に作業時間をとられていたのではないでしょうか。

一方、これまで大学からの要望に応じて従業員の部署や連絡先を提出していた採用担当者は情報の提供ができなくなりました。正直なところ、採用担当者は作業が一つ減って少々楽になりました。各大学別に送られてくるOBリストのフォーマットは、大学別求人フォーマットと同様、採用担当者にとって作業負担の大きなものでしたから。(今は企業のコンピュータから人事情報の必要な部分を検索してプリントアウトして送付するだけで、大学フォーマットに記入を避けている企業が多いでしょう。)

しかし、企業のOBリストを出せないということは、学生が企業に触れる接点を失うわけですから安穏とはしていられません。特にここ数年、採用担当者は「今の学生はITの情報だけで就職活動をしている気になっていていけません。もっと自分の目と手と足を使って企業研究すべきだ。OB訪問は不可欠です。」と大学内の就職ガイダンスで言い続けてきたのですが、学生がOB訪問をするための最大の情報ルートが無くなったというのは大変なことです。たまに企業採用担当者に電話をかけてきてOB紹介を依頼する学生には、「大学就職課にOBリストを出しておりますので、そちらをご覧下さい。」という黄金の言い訳もできなくなりました。

さて、こうなってくると双方にとっての頼みの綱は、やはり学内・社内のOBを如何に活用するかでしょう。大学OB会では既に現役学生の就職支援に手を付け始めたところもありますが、就職課やキャリアセンターと連携しているところはまだまだ少ないようです。その運営についてはいろいろノウハウが必要になります。企業側は、これまで以上にOBリクルーターを活用することになるでしょう。リクルーターには個人除法保護の知識をしっかり伝えて対応して貰わなければなりませんし、社内でOB対談会を設定することも必要でしょう(特定大学だけに行うのは好ましくない面もあるのですけどね)。

いずれにしても、学生が積極的にOB訪問をするのに大変苦労する環境になってきました。企業も大学でのOB講演にはもっと本気で社員を出さないといけませんね。

 

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