第96号:面接官出張、どこでもAO入試

ニュースで「面接官出張、どこでもAO入試」という記事に目をひかれました。採用担当者として全国の地方都市をまわり、「出張面接」を行っていたことを思い出します。いよいよ大学の学生確保にも火がついてきたなと感じますが、これからますますこういった施策は増えてくるのでしょうね。

私が在籍していた企業は産業界での知名度は高くても、一般の社会・学生には殆ど知られておりませんでしたから、採用担当者として如何に応募者を増やすかが大きな課題でした。自社で待っていれば応募者が山のようにやってくる有名企業が羨ましかったです。そのため、首都圏から飛び出て多くの地方都市に向かい、企業のセミナー&選考の出張も数多く行いました。地方の出張面接で行うのは一次選考(書類選考、一次面接)までで、それをパスされた方には後日、首都圏の本社で二次面接・最終面接を行います。

「出張面接」は地方にある営業所の会議室を借りて行うのですが、小規模であるために学生との距離も近く、なかなか良い採用活動ができるのですが、たまに採用担当者の中でも出張を面倒くさがる者が居り、面接官を派遣するのに苦労することもありました。採用担当者は常に臨機応変に対応することが求められるのですが、なかなかそれが出来ず、面接室・必要書類当、準備万端整っていないと選考ができないというウルサイ面接官も居ります。(そんな面接官ほど人を見る目が偏っていたりします。)今回のAO入試では教員の方が出向かれるようですが、職員の方は苦労されてないかちょっと心配になりました。

これからは空前の少子化時代で人材の需要と供給が逆転します。本社の机で待っていては採用活動も難しくなることでしょう。高校野球を回って有望な選手を発掘するようなスカウト型採用がこれから増えてくると思います。私は海外の大学まで出張して面接をすることもありましたが、良い学生なら交通費(海外渡航費)も出して日本に呼んで役員に合わせるということも行いました。地方に、海外に、これから採用担当者は視野とフットワークを広く持たなければならないと思います。

ところで、今回の記事を良く読んでみると、これは採用担当者の行っている「出張面接」とはちょっと異なるところがあるようです。入試と銘打っておりますが、面接の指導があったり、「選考」というよりは「広報」の方が比重が高いような気がします。他社のやっていないことをやって注目をひくというのも、重要な採用ブランディング戦略です。如何に新聞の一面に自社の名前を出すか、ということに燃えている大手企業の採用担当者も居りますからね。

 

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