大学での新学期が始まりました。昨年からキャリア教育の授業を担当している私ですが、就職シーズン真っ盛り!というのを目の当たりにしました。教室に履修届の出ている学生が半分しか居りません。逆に、出席している学生から「先生、××君は今日は就活で休むそうです。」との数多くの伝言。ああ、こうやって採用担当者は大学の学事日程に迷惑をかけているのですね・・・。
練りに練った4年生向けの新しいプログラムを、期待と気合いと少々の不安を抱えて望んだ講義初日でしたが、それらは上記の通り見事なカウンターパンチを貰ってしまいました。授業は毎回の積み重ねを考慮しながら組み立てて進んで参りますし、特に私の講義はグループ・ディスカッション等のワークショップがあるので受講生が半分では実施できません。参加している学生だけで進めることもできるのですが、それでは欠席した学生を取り残すことになりますし、今日出席している学生も来週は企業の採用面接に呼び出されているかもしれません。困ったものですね。結局、出席学生には「企業を取り巻く雇用環境と採用戦略の関係」という授業(?)を行ったら思いの外、大好評でしたが。
2回目の講義では、初日に欠席した学生が、「就職受験証明書」なる珍しい(?)書類を提出してきました。大学の就職課が用意した書式に受験企業の名称と担当者のサインが入っております。そういえば私が現場の採用担当者であったとき、それらしい書類にサインをした記憶があります。本来ならば、企業が大学の学事に重大な影響を出しているのですから、企業の方から「欠席お詫び状」でも出して欲しいものですが、恥ずかしながら当時はそういった配慮に欠けておりました。(勿論、応募学生には「授業と選考がぶつかったら遠慮無く言って下さい。日程を調整します。」とは伝えておりましたが。)立場が変わって新米教員としては、これをどう受け止めて良いものか悩みます。
つい先日、今シーズンの求人倍率が発表になり、大企業と中小企業の倍率格差はますます大きくなりましたが、過去最高の売り手市場になっております。これからしばらくは学生(大学)の立場が強いので、大学側から企業に採用活動の是正変革を要求するのに良い時期です。教育改革に匹敵するほどの重要なことだと思います。
しかし、採用担当者に休日出勤、残業での面接日程のご依頼はどうぞご勘弁を。愛すべき採用担当者仲間は、もう過労死になりそうなほど働いておりますので。