第124号:場つなぎに苦労する採用担当者

スタートダッシュで始まった今シーズンも学生達の動きをを見ていると、やや落ち着きをみせてきた感じが致します。なんと行ってもまだまだ先は長いですからね。しかし、企業側にはこれまでに無い変わった苦労が生まれているようです。夏のインターンシップや早期の企業セミナーでコンタクトした学生達をいかに繋ぎ止めるかということです。

 

この夏に開催されていた企業のインターンシップやセミナーを見ていて一つの傾向があるのは、自己分析・自己啓発系のセミナーや、ビジネスマナーやコミュニケーション・スキル、更にはビジネスのイロハのトレーニングが多くなっていることです。学生の感想を聴いてみると、「とても社会勉強になったし就職活動の参考になったけれど、肝心の企業のことはあまりわかりませんでした。」という声が意外と多いようです。学生にとっては不満ではないですが、ちょっと肩すかしを食らった印象ですね。

 

これには企業側の理由があります。昨年の苦労から早期に学生にコンタクトしたのは良いものの、さてそこで通常の詳細な企業セミナーを行ったら、次に行うのは採用選考しかありません。しかしながら、この時期に面接を行っても、さすがに1年半も先の内定を出せる企業はまずありません。それを出せるのはアナウンサーや外資系コンサルタントのようなごく小規模の特定職種採用だけでしょう。そのため本番の企業セミナーに入る前に、ウォーミング・アップのイベントやセミナーを行い、とりあえず企業名だけは認知して貰おうという作戦です。

 

しかし、相当な大企業でもない限り、そういったプログラムのバリエーションは多くありませんからネタに困って、私のような外部講師や研修会社にキャリアアップやコミュニケーション・スキルのセミナーの依頼が来たりします。最近は就職に関係の無い芸能人を呼んだりした講演会まで見かけます。かつて早期の企業セミナーをあえて「業界セミナー」と呼んでいた頃を思い出しますが、今は本当に業界・社会セミナーになっているわけですね。

 

よく考えると、これは企業負担でキャリア教育(社会人教育)を行っているわけです。企業にとっては負担増ですが、それは早期に学生に火を付けた自業自得ということでしょう。こういった傾向がいつまで続くのかは分かりませんが、学生も賢くそのような機会を活用して社会の見聞を広げてしまえば良いと思います。企業にとっては、せっかく投資した(囲い込んだ)学生は逃がしたくないと思うでしょうが、仮にご縁が無かったとしても、いま流行のCSR活動と思って頂ければと思います。

(いやはや、採用担当者の心労はいつまでたっても耐えません。)

 

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