第152号:消費者教育と労働者教育

自由民主党が小中学生向けに「消費者教育推進法案(仮称)」を議員立法で制定する準備を進めているとのことです。マルチ商法対策やクーリングオフ制度等を教えるそうです。なかなか良いことではないかと思いますが、ついでに高校生向けには「労働者教育」も始めて欲しいものです。

 

日本でも第三次産業が産業規模でトップになり、サービス業の発展は著しいですが、詐欺まがいの強引な商法もますます増えてきているようです。振り込め詐欺の国内被害総額(2006年)が250億円にも上るのは驚きました。そんなご時世ですので子供達にも早いうちに経済感覚を身に付けさせるのは大事なことでしょう。もっとも、金融教育と称せられるような資産運用などは必要なく、自分の資力以上の消費はしないこと、騙されないようにすることをシンプルに教えることで十分です。海の向こうの先進国で金融破綻になっているのも根本はこれが原因でしょうから。

 

さて、金融問題から発生したもう一つの大問題が雇用問題です。「派遣切り」「内定切り」という言葉がすっかり一般的になってしまいましたが、こういった事態にならないためにも若者への「労働者教育」が今こそ必要でしょう。かつてのように正社員が労働者の中心で企業の長期安定雇用が当然だった時代では、それは企業の人事部や労働組合が代わって考えてくれており、一般社員は仕事に身も心も捧げて集中できました。

しかしながら、今回の派遣切り問題で明らかになったとおり、派遣社員は「社員」という名はついておりますが、雇用関係ではなく企業側の都合で合法的に中止にされてしまう身分です。はたして若い派遣労働者の方々のうち、どの位の方がこういった事実をちゃんと知っていたのでしょう。バブル崩壊後、企業側の方は「個人の自立」「企業と個人の新しい関係」というスローガンで雇用ポートフォリオ型経営(非正規社員の導入)を導入し、人件費の変動費化を進めてきたことを。

 

勿論、派遣労働制度全部が悪いわけではありません。エンジニアのように非常に高い専門性を持ってこのような働き方をするならば、「ライフスタイル重視」「組織に縛られない働き方」という労働形態を謳歌することもできるでしょう。しかしながら、自分の専門性や職業経験が未熟なうちはリスクの高い働き方です。日本企業の大きなメリットである「新人研修」が受けられません。こういったことを、社会に出る前にしっかりと学校で教える必要があるでしょう。それが若者の自立にもつながると思います。

 

ところで、大変な経済環境で世間は騒然としておりますが、高校時代の恩師からの年賀状にこんな一言がありました。

「平成20年は激動の年でしたが、空襲に逃げ惑い、飢餓に苦しんだ昭和20年に比べれば何程のこともないと思います。」

私の地元の江東区は東京大空襲で一夜にして10万人が亡くなった下町です。そんな時代に比べたら、まだまだ我々は元気に生きていけると思います。 新年、頑張って行きましょう!

 

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