第160号:就職活動リターンマッチ

メディア各社から就職内定状況の速報が出始め、今シーズンの厳しい実態が明らかになってきました。4月末でのダイヤモンド・ビッグ&リード社の調べでは、内定獲得者は32.4%であり、昨年同時期が45.5%だったのに比べると約2/3という落ち込み方です。例年であれば、「まだまだ先は長いですから心配ありません。多くの企業が募集活動を行っています。」と言いながら学生のお尻を叩くところですが、相当に気を引き締めて行う必要がありそうです。

 

今シーズンの異変を示すもう一つの数値は、セミナー(企業説明会)や筆記試験への参加率と通過率です。同じくダイヤモンド・ビッグ&リード社の調べによると、セミナー参加から一次選考まで進めた応募者の状況は下記の通りです。

◆現在の就活進行状況は?  ( )は09卒調査

セミナー・説明会参加まで・・・ 76.6% (45.7%)

筆記・適性テストまで  ・・・ 74.2% (47.8%)

一次面接まで      ・・・ 74.7% (59.2%)

このように、学生は昨年よりも相当に活発に動いているにもかかわらず、結果は非常に厳しいです。もう少し詳細のデータ分析をしてみないと確かなことは申し上げられませんが、私が就職相談や模擬面接で感じているのは、学生の思考(指向)がかなり単純化・画一化していることです。国際経済の低迷により、内需関連(インフラ系・食品系 etc.)を志望する学生が急増し、その志望動機も「環境」「規模」「安定性」等、酷似しており、個性が見えません。例えば太陽電池という国家プロジェクトとしても脚光を浴びる企業を例にすると、その企業が太陽電池を扱う企業の事業規模(人員数)を詳しく調べると、とても多くの新卒採用はあり得ないのに殆どの学生が志望し、また太陽電池にかかわる企業は中小多くあるのを知らず、大手2~3社に学生の志望が偏っているように感じます。

 

その結果、採用担当者の意見を聞いても今年の面接不合格の理由は「志望動機が甘い」というものが増えてきました。昨年までは、形ばかりで聴いていた「志望動機を重視」してきたということは、これまで代表的な質問だった「学生時代にもっとも頑張ったこと」だけでは合格ラインに達しなくなってきたということです。更に、それが当社にどのように活かせるのか、どこまで本気なのか?という「覚悟」まで求めるようになってきたということでしょう。

 

こういった状況になると、学生の就職指導のポイントも、面接テクニックだけでは片付かなくなってきました。今月は、久しぶりの企画ですが神戸大学で就職リターンマッチを行います。ここ数年、必要なかった企画なのですが、ここにきて面接に通らない学生が急増したために、継続採用活動をしている企業の採用担当者を招き、リアルな模擬面接をしながら志望動機を厳しく指導するというスパルタ式です。同時に、もし良い学生が居たら企業の方にそのまま連れて行って戴いたり、逆に学生から積極的に自分を売り込んで貰ったりする企画です。このような企業開拓まで含めた就職支援をしていかないと、2010年卒業の学生のキャリアが危ぶまれます。公的機関のハローワークと同様、待っていて企業が求人を送ってくれる時代ではなくなってきたのですから、リターンマッチはすぐに始めるべきだと思います。

 

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