第168号:政府の「若年雇用対策プロジェクトチーム」-2

前回に引き続き政府の若年雇用対策について見てみます。「緊急」と名付けられただけあって、本当に8月26日に重点雇用対策(案)が出てきました。これも政権交代前の滑り込み予算獲得のようですが、若年雇用対策の重要性については新政権でも異論はないでしょう。

 

この政策の迅速性は良いのですが、やはり課題は実効性の方です。発表になった対策案の多くは、これまで省庁毎に縦割りで行っていたものであり、それらは中長期的な施策です(例えばキャリア教育の充実等)。新卒大学生に関する本当に新規の(緊急の)対策を探してみると以下の通りでしょう。

 

・内閣府(主幹)・・・「若年雇用者会議の開催」「企業・学生の実態調査」

・文部科学省(文教政策)・・・「就職相談窓口の充実」

・厚生労働省(雇用政策)・・・「事業主への求人取組促進と助成措置」

・経済産業省(産業政策)・・・「ジョブカフェによる中小企業の求人開拓」

 

期せずして厚労省・経産省の政策は、前回私が書いた企業の採用活動支援の方に近付いてくれました。しかし、これらの政策の実効性を求める時に採用担当者の視点で続けて言いたいのは、実行主体者は誰かということです。どんなに良い政策であっても、それを請け負う実行主体に実力が無ければ税金の無駄遣いになりかねません。逆に言うと、これまで政策が成果を出せなかったのは政策の問題ではなく、請け負った団体や組織に問題があったのではないでしょうか。

やや乱暴な提案ですが、今回の選挙で国民が政権交代を求めたように、政策の実行主体者を以下のように交代してみては如何でしょう。

 

・文教政策⇒就職課から民間企業で5年以上の採用経験者または企業内キャリアカウンセラーへ

大学就職課に緊急の外部就職相談員を採用する費用を支給する

・雇用政策⇒ハローワークから採用した事業主(企業)へ

日本における社会人の最強の教育機関は「企業」なので、2010年新卒の能力開発費用を支給する

・産業政策⇒ジョブカフェから民間就職情報企業へ

企業の活きた求人広告費用を支給する、地方から都心の就職セミナーへの旅費交通費を支給する

 

蛇足ながら、こうした政策は危機に瀕している就職産業に対する産業政策にもなるのです。大不況の現在、多くの企業が広告宣伝費を大幅に削減しておりますが一般の商品CMは無くても消費者にとっては致命的ではありません。しかしながら、職業生活のライフラインとも言うべき貴重な求人広告については不況下でも維持する必要があると思うのです。

さて、新政権ではどうなるのか引き続き注視していきたいと思います。

 

▼参考URL:

「若年層に対する重点雇用対策(案)」(内閣府)2009年8月26日

http://www5.cao.go.jp/keizai1/2009/0302shiryou2.pdf

 

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