第229号:内定の順回転と未内定の逆回転

企業の内定出しも始まり、学生の顔色にも大きく違いが出てきました。メディアは「勝ち組・負け組」の二極化でとらえることが好きですが、大企業の採用数は、全大学生数よりずっと少ないので、結果が二極化することは当たり前のことです。しかし、同じ大学の同じ学部でも、結果に差が出てくることがありますが、それは何故なのでしょうか?そのメカニズムがわかれば、未内定学生にとって現状打開のヒントになると思います。

 

勝ち組学生で典型的なのは、他者にない秀でた経験をもった学生です。例えば、日中英語の三カ国語に堪能でスポーツ万能で品行方正というような、天が二物も三物も与えたような人物です。しかし、ここではそうした超エリート人材ではなく、もう少し一般的な学生を考えます。というのは、採用担当者にとって評価が難しいのは、最優秀な人材ではなく、平均以上、優秀未満という「中の上」の人物の評価の誰に内定を出すか、という点であり、そうした僅差の応募者の中でも、内定を取れる人と取れない人の二極化が起きているからです。

 

その「中の上」評価の人物の結果が分かれる要因は、早く1つの内定を獲るかどうかです。勝ち組である内定獲得者には「内定の順回転(好循環)」が発生します。内定を獲たことで、面接のポイントがわかり、自分の話し方に自信がもて、態度にも堂々とした自信と落ち着きが現れ、その結果、次の内定が出やすくなるからです。その内定は、倍率の低い中小企業でも良いのです。

 

採用担当者の方でも、他社の応募状況を必ず聴きますが、その際に内定を持っている学生だと見る目が変わります。特に経験の浅い採用担当者の場合は顕著です。逆に、慣れた採用担当者が、ある大手企業の内定を持っている学生を面接すると、その企業の今年の採用基準がわかります(景気によって多少

採用基準はぶれるものです)。他社の選考基準をそのまま使っても問題無いわけですから、思い切って「他社の最終選考で不合格だった人を求めます」という募集広告を出せば、かなり楽な採用選考ができます。現実に、かつて「(内定をもっているけど)秘かに就職活動をしている人を求む」という募集広告を出した企業がありました。

 

逆に、未内定の学生は「未内定の逆回転(悪循環)」に陥ることが多いです。採用選考は、人物のほんの一面を見るだけなのに、全人格を否定されてしまったように感じて、ドンドン自信を失っていき、どうして良いのか自分でもわからないままに惰性で面接を受け続けている状態です。

 

一度こうした逆回転に入ると、なかなか自分では抜け出せなくなりますので、就職課やキャリアカウンセラー等のアドバイスが必要だと思います。また、悪循環に陥る学生には最初から有名企業ばかり受ける傾向も見られます。今年のように採用選考期間が集中してしまうと、応募時期が限られる焦りもあるのでしょう。事前準備ができないままに、多くの企業に「とりあえず」エントリーだけ行った結果、そのハードスケジュールをこなしているうちにドンドン逆回転の速度が上がり、休むことも怖くなります。

そんな場合、あえて志望分野方向性を変えたり、思い切って休んでみることも大事だと思います。自分を冷静に見ることができたなら、きっと自分の回転方向が見えてきて、逆回転を止め、順回転に転換するヒントも見えてくると思います。

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