第239号:模擬授業と企業説明会

この夏もオープンキャンパスで大学は大いに賑い、大学の夏景色としてすっかり定着しました。私も昨年から駆り出され、高校生に向けて模擬授業や短いセミナー等を行っております。日頃は縁の無い制服姿の高校生達との触れ合いは新鮮で、いつも以上に楽しく双方向の授業を行っております。それはまるで採用担当者として就活大学生に接するときの気分です。

 

模擬授業と企業説明会は、本当によく似ています。企業の求める人材(大学で求められる学習能力・態度)や事業内容(授業内容)や社風(学風)等を伝え、応募意欲(入学意欲)を喚起致します。短時間のセミナーではなかなか伝えられない現場の様子は、インターンシップ(経団連のご指導で今年は1DAYが激減して5日間が急増)を導入していますが、これは法政大学でも行っている、高大連携プログラムの特待高校生の本授業参加にあたるでしょうか。

さて、このような広報活動で重要なのは、やはり登壇者の熱意や意欲やプレゼンテーションスキルです。意外と採用担当者(大学教育者も?)は視野狭窄のことがあり、多くの企業説明を聴いていると気になることがあります。例えば、以下のようなことです。

 

・受講者が多すぎる

ガイダンスや講演のように一方向の情報提供なら良いのですが、企業についての受講者の関心はそれぞれに異なるので、質疑応答がやりやすい人数の方が望ましいです。応募者の応募意欲にもつながります。特に今の若者は個人の扱われ方に敏感です。

 

・概要だけに終わる

大企業でよくあることですが、Webや資料でわかることしか説明しないことがあります。受講者は「ここだけの話」を聴きたくてやってきますので、期待外れに終わることがあります。特に大学内での合同セミナー等ではこの傾向がありますが、それは採用担当者の意識・経験値の問題です。

なので、高校生向けの模擬授業においても、高度なことを分かりやすく説明して向学心を喚起することが大事です。これは講義(内容)のレベルを下げることではありません。企業説明会でも優秀な学生ほど、ハードルの高い課題にぶつかった時に燃えます。採用担当者のレベルを見て(誤解して)、応募意欲が下がるというのはよくあることです。

 

・上目線になる

カリスマ方経営者の居るベンチャー企業や羽振りの良い企業等に多いですが、上目線で受講者を見下す講師がおります。学生から畏敬の念をもって見られることは重要ですが、それは講義の内容と伝え方を通じて受講者が自然と感じることです。最近破綻した某大企業が飛ぶ鳥を落とす勢いの時に説明を聴いたことがありますが、妙な違和感を覚えました。おそらくあまりに数多くの説明会をこなし、多くの学生が詰めかけるものですから見誤るようになったのでしょう。

 

前期の授業で嬉しかったことの一つは、オープンキャンパスで私の話を聴いて入学し、私の授業を履修してくれた学生が居たことです。これは私の企業説明を聴いて入社してくれた新人と再会できたのと同じ気分です。こうした出会いを大学も企業も大事にしていきたいものですね。

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