第277号:採用担当者と学生の単純な言葉の認識差

採用選考が始まり、内々定の頼りもチラホラ届き始めました。一方でなかなか結果がずに、だんだんと焦ってくる学生も見受けられます。そんな学生に気づいて欲しいことは「自分のやり方には何か間違っているところがないだろうか?」「企業の求めるものと、自分が伝えているものはズレがあるんじゃないだろうか?」という冷静で客観的な視点です。

 

採用担当者(社会人)と学生とのズレは、いたるところにありますが、特に気をつけたいと思うのは、単純な言葉の認識差です。例えば「主体性」と「コミュニケーション力」です。この二つの言葉は、採用担当者から見て学生に求める資質の常にベストスリーに入っています。経済産業省の資料(下記URL参照)でも、「主体性」と「コミュニケーション力」の重要性は、学生も上位にあげておりますが、問題はその認識の程度の差です。学生は「主体性」が自分に欠けているとちゃんと自覚しておりますが(5.6%)、採用担当者は学生の約4倍(20.4%)もあります。同様に「コミュニケーション力」については、学生が8%、採用担当者は倍以上の19%です。

 

この報告書では「大きなギャップが存在する」とに指摘にとどまっておりますが、このギャップの意味はもっと踏み込んで理解する必要があります。そこには、採用担当者と学生が「主体性」と「コミュニケーション力」という言葉を同じ認識で使っていてそのレベルに差があることと、その言葉のそもそも認識が違っているということとがあります。前者なら問題はシンプルなのですが、後者は意外な盲点となります。

 

というのは、学生の理解する「主体性」とは、自主的に自分で意志決定して企画したり提案したことや組織のリーダーになった経験などをイメージしてアピールすることが多いですが、採用担当者の視点では、それだけではありません。誰かに指示されたり頼まれたりしたことを喜んで引き受ける、他者が意志決定した企画でも、言われた通りにやるだけではなく更に自分なりの工夫したり改善したりすることも含みます。それが、実際の会社の中で行われている仕事の形だからです。そして、そうしたタイプの人が、一緒に働きたくなる人、というものです。

 

このように、同じ言葉であっても、学生と採用担当者では属する社会が違いますから、その意義が違っていることがよくあります。一見、単純で言い慣れてしまっている言葉だからこそ、認識差について気づかないことがありますので、注意したいものですね。

 

以下、参考サイトURL:

▼大学生の「社会人間」の把握と「社会人基礎力」の認知度向上に関する調査(経産省)

http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/201006daigakuseinosyakaijinkannohaakutoninntido.pdf

 

 

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