第22号:就職活動の目的

GWが終わりました。採用活動に区切りをつけた企業もあり、これからの時期は内定学生の意思確認を行い、その結果によって追加の募集活動の有無を決める時期です。順調に就職活動を展開して首尾良くいくつかの内定を取り付けた学生は、手持ちのカードの中から最終的な選択を行いますが、ふとこの時期に就職活動の目的を再考して悩む学生が増えてきます。

早いもので昨年の秋から続いてきた就職活動も半年以上経ちました。いざ内定を手にして自分の就職先を決めようという時に、はたと自分の就職活動の目的を見失う、というか学生が増えています。何かに追い立てられるように就職活動を始めたものの、ふと気づくと就職活動自体が目的になってしまっていることに気づくケースです。

あまりに多くの企業を回り過ぎて、知らないうちに就職活動を楽しんでしまっている学生もおります。こういった学生ほど、「就職活動戦略」とか「自分戦略」とかに熱心なのですが、「戦略」は「目的」に達するための手段であり、道筋に過ぎないことを忘れがちです。つまり、いつのまにか手段と目的がすり替わってしまっているのです。

では目的が明確でないままに、就職活動を行うことは良くないことでしょうか?勿論、目的は明確な方が良いですが、新卒の学生に限って言えば、それは必ずしもすれは十分でなくても良いと思います。むしろ就業経験の無い学生には具体的な目的が見えないままに就職活動を始める方が多いでしょうし、その活動の中で学生がだんだんと気づいて成長していく姿を、多くの就職部の方々はご存知のはずです。そのような学生は、必ずしも目的が明確ではなくても、それに近づくための道筋はハッキリしていることが多く、結果として志望動機が明確になっています。つまり自分の今の状態を分かっていれば、問題はないということですね。

一番、注意したいのは、自分の今の状態に気づかないままに、就職活動を続けている学生です。こういった方を面接してみると、秋の頃と志望動機の内容やレベルが変わりませんので、志望業界を変えてみても結果はあまり変わりません。企業採用担当者もこれからの後半戦はより厳しい目で見ていきますので、学生さんにも今一度、自分のポジションについて見直してチャレンジして欲しいと思います。

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