第329号:就職活動による未履修単位証明書

想定したくはなかったですが、想定していたが事態が起きてしまいました。私の授業の履修登録はしていたものの、一度も見たことのない学生が出席してきたのです。お察しの通り、春休みからずっと就職活動を続けてきた学生で、やっと内定が取れたとのこと。本来であればこれまでの苦労をねぎらい、祝福してあげたいところですが、既に授業の半分を終えた時点からの出席では単位履修を認めるのは困難です。

 

今年は昨年以上に4年生が授業に出て来ませんでした。昨年のマスコミの弁によれば、解禁日を6月にしたのは「学生が勉強しなくなるから」だそうですが、授業出席率だけをみれば昨年の方が良かったです。少なくとも4月初旬の授業に4年生は居たので「これから就活でなかなか出られなくなるかも・・・」という相談を受けて補習課題を出す等の対応をしていましたが、履修登録をしていても姿を現さない学生はどうしようもありません。

 

私は授業シラバスにも記載していますが、授業は全出席を求めています。しかし、体調不良等の不測の事態のために2回だけは欠席を認めています。教職課程や運動部での海外遠征等による欠席にはレポートを課すというオーソドックスなものです。しかし、無断欠席には厳しい対処をしています。なぜなら、私の担当するキャリア教育の領域は、社会で通用する就業力を教えていますが、無断欠席に寛容な企業など殆どないと思いますから。

 

私も採用担当者時代には学生を平日授業のある日に呼び出すのは忍びなく思っていましたので、選考面接日が授業とぶつかった場合には別日程をたててできる限り対応していました。最終選考で役員面接などになると日程調整をするのはなかなか大変でしたが、就職活動が原因でその学生が卒業できなくなったら元も子もありませんから。

 

しかし今回の事態のように、そのまさかの事態がおきたならどうすべきか。私は内定を出した企業が責任をもってその学生を受け入れるべきだと思います。求人票や内定誓約書には応募要件に「卒業見込」という文言が必ずありますが、これは別に法律で決まったものでもなく、その企業が了承すれば採用するのに何の問題もありません。会社内の法律である就業規則に採用の条件として記載されていたとしても、知恵と度胸を働かせればいくらでも対処方法はあります。

 

もし私の授業単位が取れなくて卒業できなかったということなら、その企業の選考日時と授業日時が重なっていることを確認して、喜んで『就職活動による未履修単位証明書』なるもでも書きましょう。就職活動が原因で卒業できない学生が出たならば、責任を散るべきは大学ではなく授業期間を無視して採用選考を行う企業とそれを許してしまう社会ではないでしょうか。

 

そもそも殆どの企業が大学卒業見込みを応募要件にしているのですから、その意義と責任を改めて認識してほしいものです。

 

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