第337号:院落ちの就活学生の救命採用

急に秋の訪れを感じる気候になってきました。採用担当者も内定式が終わり、やっと一息ついたところですが、落ち穂拾いの仕事があるのもこの季節です。大学院の入試に失敗して急いで就職活動を始めなければならなくなった、いわゆる「院落ち」学生の追加採用です。今ではこうした採用活動に動く企業は減ってきましたが、先月、そうした相談に乗ったのでご紹介しましょう。

 

日本での大学院進学はまだまだ理工系が多数ですが、その中でも国公立や上位私立大学が中心です。学部卒で社会に出るのは、大学の研究に拘らない「文系就職」をしたり、生活環境の事情で大学院進学が困難な学生達です。

 

私が今回の相談を受けたのは、大学院進学が過半数を占める大学で、当然のように進学を予定していた学生さん10名程です。たまたま会議で伺った大学が大学院試験の発表日で、そこで不合格になって真っ青な顔をしておりました。

 

本来、こうした相談は個人の心情を配慮して個別に行うべきですが、今回は状況が切羽詰まっていたので駆け込んできた全員一緒に事情を聴きました。まるで企業の集団面接のようでしたが、それぞれの研究内容や志望先を整理しながら、その会話の中から個人の性格や指向性やコミュニケーションスタイルを読み取っていきました。

 

まったく就職活動をしていない学生達なので、業界研究も自己分析もやっておりません。なので、私の方でいくつかの選択肢(まだ採用可能性のある企業)を紹介し、後日、企業との面談機会を設定しました。大学側の方も、心ある教官の方々が企業に直接あたって紹介先の開拓に奔走してくれました。

 

結果、幸いにも過半数の学生が「院落ち」から1ヶ月以内で内定をとることができました。勿論、学生達の希望が完全に通ったわけではありませんが、社会に出るパスポートを手にすることができたなら、その後のチャンスはまた自分で切り開くこともできるでしょう。内定が取れた学生は、晴れやかな顔をしていました。

 

今回の件で私が改めて思ったのは以下のことです。

1.就活は長ければ良いものでもない。  ⇒メチャクチャ時間効率が良かった

2.選択肢は多ければ良いものでもない。 ⇒選択肢の少ないと覚悟を決めやすい

3.切羽詰まった状況ではカウンセリングより強い指導の方が良い ⇒救命救急隊員の気分

 

最後に今回ラッキーだったのは、なんとか採用窓口が開いていたことです。これ以上早期化すると、採用担当者も動けなかったことでしょう。いくつかの企業に打診した際に良くあったご返事は「担当者としては面談してあげたいのですが、既に選考日程が終わってしまったので・・・」というもの。比較的若くて大局的に判断する権限や意欲のない採用担当者の方々でした。良い人材だったら通年で採ってほしいものですが、新卒採用のあり方、採用活動の早期化について考えさせられた一幕でした。

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