第339号:米国大統領選から学ぶこと

世界中が衝撃につつまれた米国大統領選挙の結末でした。英国のEU離脱と同様に、大勢の推測とは反対の結果が出たことに驚きです。かつて民主党が政権をとった時と似ているという人もおりますが、なかなか見られないことだと思いますので、採用の仕事の示唆として考えてみましょう。

 

マスコミでは既に今後はどうなるのかという予測や対策に論点が移ってきましたが、なぜ予測が外れたかに着目したいと思います。私見では以下の点があげられます。

 

1.マスコミはヒラリー支持派が多かった

⇒米国の新聞は日本よりずっと政治家の支持姿勢が明確で、殆どがヒラリー支持に回った。

現政権(民主党)との関係からマスコミ側の期待度も現状より高くなった。

 

2.トランプ氏は政治家としては未知数だった

⇒フィリッピンのドゥテルテ大統領と違い、政治家としては初心者でマスコミからは想定外。

強烈な発言も伴い、エリートからはまさか通るとは思われなかった。

 

3.ネット(デジタル)データではすべては読めない

⇒ネットで動く(反応する)人は把握しやすいので、全体的な動きと見誤りがち。

ネット分析や広報が進んでも、投票行動は直接歩いて投票所に行かねばならない。

ジャーナリストの木村太郎氏が的中させたのは、自ら現地取材を行っていたから。

 

4.隠れトランプ派が多かった

     ⇒マスコミ報道の逆効果で、トランプ支持とは言いにくい風潮になっていた。

     選挙結果判明後、私の周りにも「実は俺はトランプ支持だった」という人が出ました。

つまり動態が把握しづらいサイレント・マジョリティが意外と動いた。

そして、不満をもっている人ほど連れだって積極的に行動に出るのはEU離脱と同じ。

 

こうした背景を鑑みると、日本の就職市場がネット経由からダイレクトリクルーティングにシフトしてきている状況と似ていませんか?見える市場から見えない市場への変化です。メディア経由の間接情報から、企業人(採用担当者やリクルーター)経由の直接情報で訴求していくようになってきました。今は企業の採用活動や学生の就職活動がなかなか見えなくなってきています。

また候補を企業に例えるなら、ヒラリー氏はメガバンクでトランプ氏はITメガベンチャーあたりでしょうか。求めるタイプ(支持するタイプ)が違うので、訴求ポイントも違ってきますが、新卒一括採用という現体制を、通年採用、キャリア採用に切り替えていく動きにだんだんと変わっていくでしょう。

 

こうなると採用担当者に求められる資質も(集団形成については)人事労務分野からマーケティング分野に変わります。雇用の流動化が激しい米国では昔から内部労働市場を対象にする仕事と外部労働市場を仕事にするのは似て非なるものです。日本の採用担当者も変革を求められてくるのでしょう。

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