第24号:学生と社会人の違い

内定者の数がまとまり、ある程度採用活動の目処が見えてくると、ようやく採用担当者も一息つくことができます。と、思えたのは、ついこの前までのこと。最近は内定期間の長期化により、内定者フォローという新たな仕事が増えてきて、採用担当者は息をつく間もありません。

かつての内定者フォローというと懇親会や詳細な企業説明を行って、入社への不安を取り除くものが中心でした。最近はそれに加えて、少しでも社会人の基礎知識やITスキルを身に付けさせようと言うものが増えています。その多くは、これまで入社後の新人研修等で行っていたものを前倒ししていると言っても良いでしょう。

「学生と社会人の違い」というテーマは企業の新入社員研修では定番のプログラムでした。身だしなみや敬語の正しい使い方、名刺の渡し方等のビジネス・マナーと、お金を払って勉強する受動的な立場からお金を貰って仕事をする能動的に立場へのプロ意識の気づきとは、行動面と意識面との改革を求めるものであり、初々しい新入社員を指導するのはとても楽しいものでした。

しかし、改めてよく考えてみると、この学生と社会人を「就職している人」「就職していない人」という概念で見るのはもう時代にそぐわないように思えます。企業はこれまで社会人に必要な知識や経験は入社してからゼロから教えるという発想で、極端に言えば学生は元気で素直な白紙の状態で入ってくることを期待しておりました。その背景には終身雇用という長期に渡って一生面倒をみるような時代背景がありました。

しかし、個人のキャリアが重視されてくる時代になり、社員の自立と自律が求められてきた現在、社会人の定義は「自分を客観的にみつめられる人」「自分の自己認識と外部評価の差が存在していることが認識できている人」というように考えた方が良いのではないかと思います。これがわかっていれば、就職面接においても、自分を一生懸命アピールしても、それが面接者に伝わる時には誤差が生じることがある、という点も認識できます。最近のメディアでは「自分戦略」という点を強調するものがあります。これは耳障りは良いのですが、他人から見た視点ということを置き去りにしがちなので要注意です。

さて、この新しい定義で見渡すと、学生の中にも立派な社会人は大勢おります。こういった学生さんが増えてくれば就職面接も、よりレベルの高いものになるでしょう。勿論、この新しい定義で会社を見渡すと、社会人とはいえない学生気分(?)の労働者も確かに多いですね・・・。

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