第26号:法政大学キャリアデザイン学部にて

先日、法政大学のキャリアデザイン学部に招かれて講演をして参りました。皆様もご存知の通り、同学部は今春設立された日本で初めてのカタカナ名の文科系学部で、各方面から注目を集めています。実質応募倍率も7倍近い人気だったそうです。この学部の名前を聞いた時、「キャリア・デザイナーという仕事がもしもあるのならば、それは今後の採用担当者のことを言うのかもしれないな・・・。」と考えていたことを思い出しながら講義内容を組み立てました。

キャリアデザイン学部の育成するのは、人のキャリアをデザインできる人材、自分自身のキャリアをデザインできる人材、とのことですが、学生の多くは職業経験のない方々ですので、いわゆる「自分探し」にやってきた高卒の若者たちが多いです。学部には就職部とは別に、企業就業経験のある人的資源管理コースの大学院修了の方が専属のキャリア・アドバイザーとしてついており、学生のキャリアについての相談全般に対応しています。

今回、講演依頼を受けたのは「キャリアモデル・ケーススタディ」という科目で、いろいろな分野で働く社会人を招き、その人のキャリア・ヒストリーから自分のキャリア形成に有効なポイントを学ぶというものでした。私の場合は、企業の人事担当者として国内と外資系それぞれでの採用担当者の仕事と専門性の相違点、そして私自身がどのような経緯で自分のキャリアを形成してきたのかを話しました。ついでにアカデミックな講義らしく、キャリアカウンセリングで使われる、モデリング(観察学習)のプロセス(注意過程→保持過程→運動再生過程→動機付け過程)を用いてキャリアのデザインするということにも触れておきました。

さて早いもので、大手企業では今春の採用活動を総括して、来年の新卒採用活動の準備を始めています。最近は会社説明会にキャリアデザインというコンセプトを持ってくる企業も増えました。自社の説明をするまえに「働くこと」のイメージを持たせる内容にする、または自社で形成されるキャリアの紹介や、個人のキャリア開発の支援体制を紹介するものまで多種多様です。採用担当者がこういったキャリアデザインに関するセミナーを行う動機を尋ねてみると、「最近は働くことの動機が不明確な学生が応募してくることが多いので・・・」「早くから自立した社員を募集したいので・・・」というような回答が返ってきます。

そもそも就職シーズンの早期化が招いた現象とも言えなくはありませんが、企業が学生のキャリア育成の支援をしてくれることは有り難いことですね。もしかすると、キャリアデザイン学部に行って学ぶべきなのは、従業員のキャリアデザインに関わる企業の人事担当者なのかもしれません。

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