第42号:模擬面接を行って-2

前回は大学就職部主催の模擬面接のことをお伝えしましたが、今回は学生サークル主催で行われた模擬面接について書きましょう。ダイヤモンド・ビッグ&リード社のご協力を得て会場を借り、ある大学のテニス・サークルを母体とした就職活動中の学生の集団に、模擬面接を行いました。集まった学生達は積極的に企業説明会を回り、自己分析や志望動機もずいぶんと練れてきていますが、まだまだ固定化した概念から抜け出せない方も多いです。

自己紹介や志望動機に慣れてきた学生でも、いざ模擬面接を行ってみると、会話の内容が曖昧な点があり、評価できない時があります。会話の内容は、しっかりと「結論」→「理由」→「事例」という構造になっているのですが、個別の表現が相対的になっており、その経験の具体的な点が理解できないときです。

例えば、以下のような自己PRをよく伺いますが、これでは全くポイントになりません。

「私はリーダーシップには自信があります。大学でも最も厳しいと言われる××ゼミに入り、ゼミ幹事としてリーダーシップをとり、他大学とのディベートにおいて優秀な成績をおさめました。またテニスのサークル活動ではトレーニング・キャプテンとして効率の良く上達するメニューを考案し成果をあげました。」

・最も厳しいと言われる××ゼミ→何が基準で厳しいかわからない。

・ゼミ幹事としてリーダーシップをとり→どんな役割かわからない。

・優秀な成績をおさめました→どんなレベルかわからない。

・効率良く上達する→効率、上達の度合いがわからない。

・成果をあげました→どんな成果かわからない。

揚げ足取りのような指摘で恐縮ですが、採用面接においての鉄則は応募者のことが分かるということです。「分かる」ということは言葉通り、他者と分別されて理解する、ということであり、面接での抽象的・相対的な表現を具体的・絶対的な表現の理解に変えていく作業とも言えます。上記のような自己PRがあった時は、それについての「状況」「役割」「行動」「成果」を曖昧な表現でなく回答して戴くまで質問を行います。(ただ、あまりに回答が要領をえないと、「判定不能」ということで面接を終了します。)最近、流行っているコンピテンシー面接も、誰が見ても客観的に変わらない行動・事実にフォーカスした質問を行い、それが自社の求める人材像と一致しているか、という観点で行われています。

さて、模擬面接を行っていると、短期間に上達する人と、そうでない人が居ります。その差は何処にあるのでしょうか?これは人のアドバイスや意見を素直に受け入れられる(自分の見方を変えられる)かどうかのようです。有名校で頭の良い学生ほどよくある「正解探し」の方法論に目がいってしまい、自分が通らなかったので自分の考え方を変えよう、という意識になりにくいようです。それまでその方法で成功してきているだけに意識を改革するのは難しいのかもしれません。

こんな時は、ゆっくりと長い会話をしたり、グループ・ディスカッションを行ったりしていると効果があるようです。要は自分を冷静に客観的に見て貰う機会をつくることですね。しかしこうしてみると、就職活動中の学生にとって模擬面接ほど有効なキャリアカウンセリングはないかもしれません。

 

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