第56号:奇跡の陰にある理工学技術(と就職面接)

中越地震での被災地にご関係の方々の心労、お察し致します。つい先日、長岡科学技術大学へ就職ガイダンスにお伺いしたところでしたので、ニュースで状況を見るたびに心が痛みます。今回、二つの「奇跡」がマスコミ報道されています。その中で理工系学生の就職面接を思い起こさせるシーンがありました。

ご存知のとおり、「奇跡」のひとつは上越新幹線での大きな怪我人が無かったこと、もうひとつは土砂崩れから救出された幼児の件です。新聞報道では、この二つは「奇跡」と言われておりますが、この奇跡の陰には理工学技術が大きく寄与していると思います。

とあるTVニュースでは、この新幹線事故を「安全神話の崩壊」という視点でキャスターがとりあげ、海外での新幹線ビジネスに影響が心配される、と声高に報道しておりました。しかし、そのインタビューを受けた新幹線の技術者がいろいろな具体的材料をあげながら、「私は技術者として今回の出来事が奇跡だったということは言えませんが、これまでの研究開発や技術の結果だと信じています。」と全く動じることなく発言されていました。奢った態度ではなく、事故を冷静にみている態度に、流石のキャスターもその後のトーンが変わりました。まさに理工系と文系の視点の違いを感じさせられたところです。

一方の土砂崩れの事故も、幼児の発見には最新のエレクトロニクス機器(人命探査装置、ファイバースコープ、音響探査機、夜間暗視装置等)が導入され、難しい分析を現場の技術者(レスキュー隊)が困難な条件の下で使いこなして生まれた奇跡だと思います。

自然の活動には人間はちっぽけな存在に過ぎませんし、今回は確かに幸運だった要素もあったことでしょう。しかし、人間の生活を守るために理工学の技術が発揮されたのは素晴らしいことだと思います。そういった普段の努力があって、初めて奇跡は起きるのだと思います。

さて上記の技術者の態度は、理工系学生が企業での就職面接で是非、見習って欲しい態度だと思います。採用担当者が圧迫面接(実際、マスコミで騒ぐほどのものなど無いと思いますが)などやってきても、自分の哲学を持っていれば恐れることはありません。そんな強い「哲学」をもったエンジニアの卵は是非、採用したいものですね。

 

 

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