第83号:大学入試に学ぶ採用活動

期末試験が終わったらすぐに大学入試と就職課の方々もきっとご多忙を極めている頃と推察致します。比較的小規模な大学では職員が一丸となって対応しなければならないことでしょう。企業でも採用シーズンになると一般社員も企業セミナーや面接官に調達に苦労するあたり、大学就職課と企業採用担当者は本当に似ている業務だと思います。大学入試も今はAO入試の導入による多様化が進んでおりますが、その選考方法も企業の採用選考手法と共通するものが多く学ぶところが多いです。

「自己推薦方式」「プレゼンテーション方式」「セミナー方式」「課題論文方式」・・・、大学出願者を多様な選考基準で測定しようという試みは企業の採用選考方法を考える際にとても参考になります。大学と企業とどちらが早いのかわかりませんが、企業にも「(理工系中心の)推薦選考」「プレゼンテーション面接」「グループ・ディスカッション面接」「ドラフト型面接」「論文審査」は広く導入されており、流行のAO入試も出願条件の内容を見ると企業で大流行のコンピテンシー面接と同じく高校時代の行動実績(事実・成果)を重視していますね。

このように相似点の多い大学入試と企業採用選考ですが、応募者の形成方法については大学の方が一歩先を行っていると感じることがあります。つい先日、関西学院大学が協定高校に対して「関学クラス」を設置してクラス全員が関学大に進学できるというニュースが話題になりました。関学大からは教員も派遣されて面倒をみてくれるそうです。これを見た企業採用担当者の中には是非取り組んでみたいと思った人も居ることでしょうが、マスコミからは「青田買いだ!」と叩かれそうです。そのせいではないですが、ご存知の通り大企業の場合はクラス全員どころか学校を創設して学校丸ごと採用しようとするところも出てきていますね。

少子化の時代になったいま、企業の人材調達の考え方も、「採用してから能力開発へ」から「能力開発してから採用へ」という方向に向かうと思います。「農耕型採用(採用してから能力開発)」から「養殖型採用(能力開発してから採用へ)」と向かう流れです。上記の関学大の方法や旧来の入社を前提とした奨学金制度などはまさに養殖型採用で、これからいろいろな形で企業が大学教育に関わってくることでしょう。

(企業にはもう一つ中途採用に適用される「狩猟型採用(能力開発された人を採用)」というのもありますが、これは大学では編入学の受け入れということになるので、なかなか難しいと思います。多くの企業は「養殖型採用」より「狩猟型採用」を選びますが、人材の流動化が低い日本では供給不足になっていて恒常的な求人難が続いています。)

さて皆さんの大学の入試はどんな結果が出ることでしょう。大学の入試方法の進化も参考になりますが、辞退者の欠員補充はどうするかも興味津々です。採用面接を行いながら横目で大学入試状況を見ているこの頃です。

 

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