第93号:採用活動としてのインターンシップ

はやいもので巷では2008年卒の学生(学部3年生、修士1年生)向けの就職ガイダンスが始まってきました。例年ならこの時期は自己分析・業界研究等、就職活動の初期段階のセミナーが多いのですが、今年は採用面接のスキルとかエントリーシートの書き方等、かなり具体的な就職テクニックの問い合わせを受けていて驚いています。この背景には夏のインターンシップの存在があるようです。

今年は就職ガイダンスにちょっとした異変を感じています。前回のメルマガで4年生向けの「就職リターンマッチ」について書きましたが、最近は4年生向けのガイダンスに3年生が顔を出しているのです。とある大学では、20名ほど集まった学生の殆どが3年生で面食らいました。参加者に事情を聞いてみると、「来年のために今から聞いておこうと。」という用意周到な方も居られましたが、最も多かった回答は「インターンシップの選考対策のためです。」というもの。

周知のとおり、今は3年生に向けての夏のインターンシップ募集をかけている企業が多いです。これまでインターンシップでシビアな選考をする企業は大手の一部でしたが、最近は多くの企業が事前の軽い選考(エントリーシートによる書類選考や短時間の面接)をするようになってきたようです。それが結果的に3年生の就職テクニック研究に走らせているようです。

インターンシップの捉え方は企業によってマチマチです。長期のものから短期のものまで、給与の出る社員同様のものからアルバイト作業のようなものまで、多種多様になってきていますね。最近の調査では学生は短期のものを多く受講することを好み、長期間に渡って1社に拘束されるものは嫌う傾向があるとのこと。これではインターンシップの本来の意義は達成できなくなるのですが、企業側の方でも「ワン・デイ・インターンシップ」という恐るべき非常識な言葉を定着させてしまったので、いたしかたないですね。

こういった短期のインターンシップで、しかも大人数で共通のプログラム(多くは簡単なグループ・ディスカッション等のワークショップ)をこなすものはキャリア教育としてのインターンシップではなく、採用活動のための母集団形成に他ならないでしょう。このようなセミナーを数多く受け、深く一つの企業・業界を掘り下げない学生さんは、就職活動でも多くを回りすぎて志望動機が浅くなかなか内定が取れない学生とイメージが重なってきます。どんな経験でも無駄にはならないと思いますが、彼らが来年の「リターンマッチ」セミナーに顔を出さないことを祈っています。

 

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