第265号:ついに登場!『就活サービス業界』

10月に入り、就活シーズンになりました。と言っても、企業や学生の話ではなく、就職支援サービス業界の仕事始めのことです。業界研究本の2014年度版が書店に揃って並び始めると、今年もいよいよかと思わされます。これまでは大手3社位だったところに、新規参入があったりで選ぶのに迷います。業界研究本は、社会人が読んでも十分、仕事の役に立ちます。そんな中、いつかは出るだろうと思っていた記事が出ました。そうです、『就活サービス』です。

 

業界研究本は、定番的に扱う各業界の分析・紹介記事と、その年々によってトピックとなる経済特集の記事とで構成されています。その分類・分析方法は、出版社によって個性があって面白いです。ちなみに、私は企業売り上げ構成比率(事業分野)が掲載されているものが好きです。著名な企業が意外と知らない事業分野で活躍してシェアをもっていることがわかります。

 

そんな中、今回の「日経業界地図」(日本経済出版社)に、冒頭で述べた『就活サービス』というのが初登場しました。まだ定番のコーナーではなく、注目の業界という特集記事の扱いですが、この産業の経済や雇用の規模が相当に大きくなったということなのでしょう。同書ではこの業界の企業を、メディア系、採用コンサルティング・アウトソーシング系、学生就職支援系と、主に3分野に分けて紹介しています。企業採用担当者や大学就職課の方々にはお馴染みの企業が並んでおりますが、半ページの扱いなので、正直まだまだ物足りない気がします。

 

もっともこの業界はどこまで就活サービスかは難しいと思います。リクルートスーツを販売するアパレル業界や、就活イベントで数万人を運ぶ交通機関、学生と企業を結ぶ通信インフラ業界等は、相当な規模ですが、『就活サービス』とは言われません。仮に学生がリクルートスーツに3万円かけるとして、日本の就活学生約60万人が1着買えば、それだけで180億円の市場です。紳士服の青山商事の年商は約2000億円、マイナビが約300億円ということを思えば、いかにこの数字が大きいかがわかります。更に学生の総額交通費はそれ以上にかかるでしょう。

 

この費用を稼ぐために、多くの学生はアルバイトに精を出します。外食、コンビニ、小売り、接客業と、学生の労働力で成り立っている業界もかなり増えてきました。こうしてみると、就職活動というのは、いまや経済や社会に与えるインパクトが相当に大きくなってきたことがわかります。経団連会長が就職活動短縮に乗り気ではないのも理解出来ます。

 

2015年度になって就職活動が短縮化では、企業採用担当者も対応を暗中模索していますが、『就活サービス』業界はそれ以上に大きなインパクトを受けそうです。2015年度版の業界本に定番記事として残れるか、それとも消え去るか、注目しておきたいと思います。

(ちなみに、日経業界地図での『就活サービス』の景気見通しは「曇り」です。)

 

 

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